コインチェック被害対策弁護団からのご報告第14号
こんにちは。コインチェック被害対策弁護団です。このメールマガジンは、すでに提訴された方も含め、弁護団にお問い合わせいただいた全ての方にお送りしています。
今回はマネックス証券によるコインチェック社の買収についてです。
4月6日、コインチェック社より、同社がマネックスグループ株式会社の完全子会社となる旨が発表されました。全役員が退任し、今後のコインチェック社の経営については、マネックスグループが行なっていくことになります。
コインチェック社の経営体制が変更されたとしても、NEMの流出やその後の取引停止に基づく損害賠償等の請求については影響がありません。
既に提訴した訴訟や、現在準備中の訴訟においても、引き続きコインチェック社と旧経営陣の責任を追及して参ります。
現時点において、コインチェック社は扱っている13種類の仮想通貨のうち、11種類については出金及び売却を再開しております。
そのため、今後のコインチェック社および旧経営陣に対する請求の内容としては、①NEMについては流出時価格と補償額との差額の請求、②その他の仮想通貨については取引停止中の価値下落分についての損害賠償等の請求、③取引停止そのものに対する慰謝料の請求、④弁護士費用の請求が中心となります。
4月14日付けの日本経済新聞社の記事(下記URL参照)によりますと、「マネックスグループの松本大社長は、コインチェックから流出した仮想通貨NEMに関する訴訟費用を『最大でも10億~20億円と見積もっている』と明らかにした。」とありました。
※ https://www.nikkei.com/article/DGXMZO29406400U8A410C1EA5000/
しかし、今回のコインチェック社による取引停止については、取引が停止していた期間中に仮想通貨の価値が大幅に下落しております。第2次訴訟の原告132名の方々について言えば、1月25日時点(NEM流出の前日)で約3億5600万円あった資産は、取引が再開した時点(NEMについては補償した時点)で約2億3700万円に下落しており、約34%の資産が失われています。
コインチェック社の顧客は全世界に170万人、預かり資産は6000億円だったとも言われています。単純に計算して、170万人の方が2000億円(約3分の1)を失ったことになります。
この3分の1の喪失について、顧客には何も責任がないのです。自然災害のような不可抗力ではなく、コインチェック社のずさんな管理態勢が招いた事態です。マネックスグループの松本社長が言うような、10億~20億円で済むような話ではありません。
私たち弁護団は、2000億円という戦後最大級の巨額の消費者被害を招いたコインチェック社とその役員の責任を、引き続き厳しく追及して参ります。
訴訟の進行につきましても継続的にご報告してまいります。よろしくお願いいたします。